さいきん、染屋と織屋のベストマッチを発見しました。
出典は「職人尽発句合」。声に出して読むと、両句の力量のバランスや情景のコントラストがすごくいい。形も阿吽の屏風ばりにキマっていますし、切れ字の位置も対位法っぽい。お次は私の編んだ組み歌。
うーんこれが対戦ならば織屋の勝ちでしょうか。紺屋の方は「合ひ=逢ひ」と「染め=初め」が掛詞です。「紫の灰合ひ」は、布を紫に染めるために灰を調合すること。なにゆえここにそんな言葉が出てくるのかというと、この歌が源氏物語の、
の本歌取りだから。ついでに書くと、この「紫」は紫の上ではなく玉鬘です。彼女の衣の色を指しているらしいですよ。
紺掻
春陽の日陰や藍の深緑
織殿
夕立や織り込む箔の稲光
出典は「職人尽発句合」。声に出して読むと、両句の力量のバランスや情景のコントラストがすごくいい。形も阿吽の屏風ばりにキマっていますし、切れ字の位置も対位法っぽい。お次は私の編んだ組み歌。
紺屋
紫の灰合ひがたき思ひをば染めてあやなく色に出にけり
「難波職人歌合」より織屋
はかなくも足動かして水鳥の模様織り出す浪の綾糸
「略画職人尽」より
うーんこれが対戦ならば織屋の勝ちでしょうか。紺屋の方は「合ひ=逢ひ」と「染め=初め」が掛詞です。「紫の灰合ひ」は、布を紫に染めるために灰を調合すること。なにゆえここにそんな言葉が出てくるのかというと、この歌が源氏物語の、
などてかくはひあひがたき紫をこころにふかく思ひそめけむ
の本歌取りだから。ついでに書くと、この「紫」は紫の上ではなく玉鬘です。彼女の衣の色を指しているらしいですよ。