2016-10-25

俳句と数学



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少し前の日記で小池正博の三句の渡り理論に触れたときはすっかり忘れていたのだけれど、そのあと「MATH POWER 2016」の数学俳句イヴェントがあったせいで『連歌』の著者であるジャック・ルーボーがブルバキ派の数学者でもあったことを思い出した。

和歌、連歌、俳諧に対するルーボーの興味はそもそも数学的なきっかけに始まっている。なんでも彼は、それらが5、7、17、31といった素数から構成されている点に《詩に内包される美の秘密》が隠されているのでは、と考えたらしい。出会いって、ほんとうに人それぞれだ。

俳句----そのつど多彩なヴァリエーションとして出現しつつ、その背後にどれも等しい素数のスケールを秘めた音楽。その単純な反復性を愛しみながら、広々としたことばの世界に思うがままの、あるいは思いがけない点景を描く、その楽しさ。

おがたまの咲く土地土地を印す地図  四ッ谷龍