2020-09-23

アドリアーン・クーネンの描く鯨



今日はすみわたる秋空。とても涼しくて、海で泳ぐのは無理そう。美しいものを、ただ遠くにながめる生活に戻ってしまった。

* * *

アドリアーン・クーネン『魚の本』ですが、なんとWikimedia Commonsにありました。で、順番に眺めたところ、相当博学な人物だったことがわかりました。

これは『鯨の本』の表紙。『魚の本』から4年後の1584年刊。横長の図鑑です。
岸につらなる赤い丸は船着場。ひとつひとつに名前が付されています。こういった俯瞰図をいっぱい描いているのです。
見開きで描かれた鯨。夢のような色彩だなあ…。

古日傘ほのめき勇魚いづこかや

日の泡は更へし衣のうつほにぞ

かつてこの入江に虹といふ軋み

青岬いさなを永久に枕くといふ

上はそのむかし詠んだ鯨の情景。よし決めた、この秋は鯨に捧げる長編俳句を書こう。わくわく。