2020-09-29

D連句『冬ざれの巻』



拙著『漢詩の手帖 いつかたこぶねになる日』のご予約クラウドファンディング、おかげさまで達成率100%を超えました。みなさまありがとうございます。ご注文は10月23日まで受け付けております。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

* * *

さいきん、1つの句に2つの付句がある「D連句」という歌仙に参加しています。こんな形の連句です。

発句1に脇句2、3がつき、脇句2に4、5の句がつき、4の句に7、8の句がつき……という風につづきます。さらにほとんどの番号で、2つの前句に対し1つの句をつけるかたちにもなっていて、たとえば、

33 ふるさとは美貌の石を捧げられ 夜景

の前句は、

29 アダージェットで薄れゆく闇  綉綉
30 調合法の衣鉢相伝  季何

の2つ。33で怖いのは、打越にあたる句が24、25、26と3つもあることでしょうか(ただしこの巻はあえて打越多めです。捌き曰く「発句がダルセーニョ(印に戻る)だから」とのこと)。下の画像はD連句を単線的にながめたもの。長句と短句とが、横一列ごとに交互にあらわれるので、競作っぽくて面白い。

【連衆】須藤岳史、綉綉、せのお・あまん、堀田季何、森尾みづな、小津夜景、岡本胃齋、今朝、百田登起枝、羊我堂、冬泉 (捌き)