きのうの海は曇り空で、今年最後になるかもしれない海だった。今日から一週間ニースは雨なのだ。雨が終わったら完全に秋かもしれない。だから真剣に泳がねばならなかった。
ところが低気圧の荒海で、泳いでも泳いでも前に進まない。これではいけない。そう思ったわたしは大股で海の中を歩き出した。うでとあしを大車輪のように動かし、波にのまれるたびに起き上がって、「さようなら!さようなら!」と大きな声を出しながら、海の中をどこまでもどこまでも歩いた。
家人は、あまりにも遠ざかってしまったわたしの影を眺めて、いったいなにをしているのだろうと訝しんでいたらしい。
海からの帰りしな、わたしが「さようなら!またいっしょに遊ぶその日まで!って海の中でなんども叫んだんだよ」というと「海は明日もそこにあるのに」と笑われた。
こうやって日記を書いていても、もう今年の海は終わったかもしれないということが信じられない。
ところが低気圧の荒海で、泳いでも泳いでも前に進まない。これではいけない。そう思ったわたしは大股で海の中を歩き出した。うでとあしを大車輪のように動かし、波にのまれるたびに起き上がって、「さようなら!さようなら!」と大きな声を出しながら、海の中をどこまでもどこまでも歩いた。
家人は、あまりにも遠ざかってしまったわたしの影を眺めて、いったいなにをしているのだろうと訝しんでいたらしい。
海からの帰りしな、わたしが「さようなら!またいっしょに遊ぶその日まで!って海の中でなんども叫んだんだよ」というと「海は明日もそこにあるのに」と笑われた。
こうやって日記を書いていても、もう今年の海は終わったかもしれないということが信じられない。