アンドレ・マルロー美術館でフィリップ・ド・ゴベールの企画展を観る。1944年の空爆で壊滅したル・アーヴルが建築家オーギュスト・ペレによって再建される様子を撮影した記録写真をもとに、その過程をミニチュア模型でゼロから追いかけ、大判プリント写真に収めて再統合した作品群。
砂、小石、小さな破片が装飾みたいに広がる世界。架空の現実の断片による、再生の物語がはじまる予感。
オーギュスト・ペレはコンクリートの父といわれる建築家。以前このブログに彼の話を書いたことがあった。
なんだかさみしいけれど、いまでもこんな雰囲気の街。
工業港特有の不穏で神秘的な雰囲気がフィルムノワールっぽい。ほのぐらい街灯、港に戻る船、路駐車、灯る窓など、わずかに人間の気配が感じられる。
舞台裏。背景の空は写真。
撮影のために製作した模型の展示。