2019-08-14

存在の青い灰 閑話2

 
「LETTERS」のつづきです。手紙の本文は、上はこちら、下はこちらからどうぞ。


朝がほや瑠璃の世界に人は今朝  酒井抱一

酒井抱一「四季花鳥図巻」の、まんまるの朝顔を添えて。銀泥の大きな月が優雅です。「朝がほ」の句については、抱一の俳諧を論じた文章で引用されているのを見たことがないので、なんだかいつも自分だけの宝物のような気持ちでいるんですよ。なんでだろ、これぞ彼でしょう、しかも佳句なのにへんなのって思いながら。


で、ですね、今回ひさしぶりに彼の肖像画を見ましたら、なんと脇息の色がインターナショナル・クライン・ブルーであることに気づきました。すごくないですか。こんな脇息、ないですよね。もう一つ書くと、朝顔の瑠璃と聞いて思い浮かぶのが、抱一の弟子・鈴木其一の描いた『朝顔図屏風』。とても素晴らしい瑠璃の世界です。