わたくしめのような野人でも「なんで生きてるんだろう」としばしば考えるんですが、これを突き詰めると、ああ、この世には「ちょっと遊びに来ているだけ」なんだな、といった結論に至ります。
鳥や獣となんら変わるところがない。遊びをせんとや生まれけむ、という次第です。
でね、ここでいう「遊び」ってなにかというと、それは歌を歌うことです。誰に聞かせる訳でもなくただ歌う歌。歌うとは、この世に生きたことの証です。
以上、世界とわたしとの関係について、でした。お別れの曲は陸游の愛聴盤からお送りします。ではみなさま、また会う日まで。
鳥や獣となんら変わるところがない。遊びをせんとや生まれけむ、という次第です。
でね、ここでいう「遊び」ってなにかというと、それは歌を歌うことです。誰に聞かせる訳でもなくただ歌う歌。歌うとは、この世に生きたことの証です。
以上、世界とわたしとの関係について、でした。お別れの曲は陸游の愛聴盤からお送りします。ではみなさま、また会う日まで。
初夏行平水道中 陸游
老去人間楽事稀 一年容易又春帰
市橋圧擔蓴糸滑 村店堆盤豆夾肥
傍水風林鶯語語 満園烟草蝶飛飛
郊行已覚侵微暑 小立桐陰換夾衣
初夏 平水の道中を行く
人間は年をとると 楽しいことが少なくなる
一年はあっけなく またしても春が終わった
市場の橋には つややかな蓴菜が籠いっぱいで
村の店先には 丸々太った莢豆が皿に山盛りだ
水辺の風に林はそよぎ 鶯は互いに鳴き交わし
野原を覆う草はかすみ 蝶と蝶とがたわむれる
郊外を歩くとうっすら汗ばむこの季節
しばし桐の木陰に立って着替えをしよう