2016-11-16

カモメの食事





カモメは目があうと、わざわざ誇らしげに獲物を見せてくれることがある。あれはなんとかならないのだろうか? わたしは獲物の死骸がダメなのである。いや、死骸じゃなく、生きていてもダメなのだった。いま住んでいるアパートの向かいには中学校があって、6階にある我が家の窓からその広々とした屋根の上が丸見えなのだが、そこでよくカモメが生きたハトを食べている。ぶすりと一刺しし、ハトをびくっと意気消沈させては、ちょっとずつ肉をむしって。三十分は食事にかける。そしてかならず食べ残して去ってゆく。