2020-09-07

詩情と内省の交差




海沿いの歩道には、ときどきこのような日陰があります。柱の上方にスプリンクラーがついていて、座っていると涼しいです。

近々刊行の『漢詩の手帖 いつかたこぶねになる日』にちなんで、ことばの本屋Commorébi店主の秋本祐さんがエッセイを書いています。素粒社の船出を拙著のタイトルにからめ、詩情と内省の交差する、透明感あふれる文章で祝ってくださいました。

「言葉の船旅」をもう少し続けるならば、たこぶねは中国語では「锦葵船蛸」(jin3 kui2 chuan2 shao1)と呼ぶようだ。锦葵はゼニアオイのこと。生物分類上、たこぶねが属する科は"Argonautidae"だが、これは日本語で「アオイガイ科」とされているので、中国語の名称も根っこに共通するものがあるのだろう。
 ゼニアオイという植物を知らなかったのでこれまたGoogleで検索してみると、濃いピンク色をした花の写真が出てきた。ちょっとやそっとのことではへこたれなそうな雰囲気を持っているし、実際、なかなか強い植物らしい。ここにも、凛とした強さがあった。(たこぶねから始まる船の旅。)

そう、たこぶねは凛として強いんです。くにゃくにゃしながら凛としてるって、かっこよすぎません? たこぶねについては以前わたしもこのような話を書いたことがあります。たこぶねと人魚が隣り合わせに載っている『南島雑話』はどの絵もすごくよいのでおすすめです。

ここからおまけ。先日書いた「牛の小便」という林檎ジュース、実物をみたいという方がいたので、このブログにもリンクを貼ってみます。ラベルが導尿みたいで怖い(牛が不憫)。