2016-08-06

永遠よりも



何ももたずに生きているので、思いついたときにどこへでもゆける。

ゆくのはいつも小さな旅だ。

車窓の景色はバスの方がきれいなことが多いけれど、車内の雰囲気は列車の方がすてきだ。いざ乗り込んで車内をみまわしたときにあっと気づく、時空をワープする箱に相乗りしてしまったような感覚。列車がうごきだす瞬間、胸にこみあげる、時空ごと運ばれてゆくことのさみしさ。

永遠よりも少しみじかい旅だから猫よりも少しおもいかばんを  荻原裕幸