2016-08-24

ル・アーヴルのディスコ



ル・アーヴルに住んでいた頃、この町を舞台にした映画を2本観た。

ひとつはアキ・カウリスマキ監督『ル・アーヴルの靴みがき』。これはたぶん良い映画なのだと思う。もうひとつはファビアン・オンテニアンテ監督『ディスコ』。こちらは愛すべき映画。殊に3日で作ったようなチープ・シネマに寛大な人、あるいはフランク・デュボスクやエマニュエル・べアールが好きな人にとっては。

この映画の話の筋は『フル・モンティ』のほぼパクリ。ただ主人公の男性が金を得る方法というのが、ストリップではなくダンス・コンテストの賞金を狙うといった部分だけ、ちがう。あと映画の出だしのテーマ曲が鳴り出すところで、上空から撮影されたル・アーヴルの町を眺めることができるのだが、全然フランスらしくなくて(ル・アーヴルの街並みはニューヨークを真似ているのである。人口は15万人しかいないけど)笑える。

それはそうと、ル・アーヴルのディスコには一回だけ入場したことがある。年にいちどの大学関係者の晩餐会がそこで催されたためだ。子供の頃からいろんな土地に移り住んできたけれど、ディスコで晩餐会をやる人々というのはこの町の住人より他に知らない。

で、その晩餐会だが、中央のダンスフロアを見下ろしながらその周囲にセッティングされたテーブルで食事をし、宴もたけなわとなったあたりでケニア人で空手家の大学長(強そう)が軽くスピーチし、そのあとは当たり前のようにカラオケ大会という運びとなった。こんな展開もはじめて。さいごは全員フロアに降りてのダンス・パフォーマンス大会。Bee Gees とか Earth, Wind&Fire とかいった、まさに『ディスコ』世代の音楽で。なんというか、それぞれの町に、それぞれの流儀があるのだな、と思う。