2016-08-30

具志堅用高と渡辺二郎(とハヌマーン)





ずっと以前から、具志堅用高の腕の飛び出し方がとても人間離れしているなと思っていたのだが、先日ブログに書いた白猿ハヌマーンの存在を知ってからというもの、具志堅用高という言葉をつかうとき必ずハヌマーンの姿がセットで蘇るようになった。

わたしは具志堅のボクシングが好きではない。強すぎて対戦者がかわいそうになってしまうのだ。肩の回転も千手観音みたいで恐ろしい。全く計算が感じられず、つねに天然である。さらに、ここがわたしにとって最も残念なところなのだが、この人は相手をやたら深追いする。そんなにいっぱい殴らなくても勝てるのに、と見るたびに不気味になる。

と、このように大変ハヌマーンに似ている。

ところで具志堅のことを考えるときに必ず蘇る存在がもうひとつある。渡辺二郎が、それだ。この人はぜったいに相手を深追いしない。自然を定理化したかのごときエレガントな突きをくりだし、もっとも少ない攻撃で勝つ。そういった枠組を意識的に遵守しているという意味で、たいへん異色の人物である。弟子入りするならこの人がいい。

二郎さんのコンプリートDVDが欲しい。が、いろいろあったからまず出ないだろう。