わたしは鳥が好きで、日々つくづくと眺めて暮らしている。あの、四足獣ではありえない、ぱりっとした尻尾の感じ。羽の先でちょっと隠しているようでいて、実は見せている感じ。ぴろーんと。そして飛んでいるときの、ひきしまったりりしさ。自分にもあの感じが出せたなら、と思う。あのぴろーん、からの、きゅっとしたりりしさ。そのあと、また降り立って、ささっと羽をたたむ。ちょっと首をかしげて。まるで空など絶対に飛んでいなかったかのように。
さっきまで、鳥の影が、この床にうごいていた。が、考えごとをしているうちにいなくなってしまった。
さっきまで、鳥の影が、この床にうごいていた。が、考えごとをしているうちにいなくなってしまった。
鳥がきて大きな涙木につるす 阿部完市