2016-08-27

週末のいなごまめ



海沿いの崖を歩いていたら甘ったるい香りを放つ愛らしい樹があった。一緒にいた女性が「これは地中海原産のイナゴ豆の木。とっても乾燥に強いの。イナゴ豆(キャロブ)は宝石の重さ(カラット)の語源なのよ。つまり1キャラットはイナゴ豆1粒分ってこと」と教えてくれる。

地面に落ちている鞘を拾い上げると甘い匂いが手にうつる。この辺の人は、これでニセモノのチョコレート菓子をよくつくるそうだ。あとリキュールも。アラブ人はラマダンの飲料にする。その女性が目の前で齧っていたのを見てなんだか自分も欲しくなり、アパートに持ち帰った。


中の豆はとても小さくて薄い。豆粒の大きさを見るとたしかに均一っぽい。1カラットなので1粒約0.2グラムということになる。


割るとこんな感じ。匂う匂う。顔を近づけてみたら甘い上にバター臭いので油分も豊富のようだ。色も綺麗だし、じっと見つめていたら、フランスだけでなくアフリカやアラブのエキゾチックなお菓子が頭のなかをゆるく駆けめぐる。ほわん、ほわんと。