2016-09-20

ジャック・デリダ死去をめぐるフランスの新聞(2)


きのうのつづき。ル・モンドは全10ページの号外を挟んできました。しかもリベラシオンは7ページの中に広告が2つ掲載されていたのに、こちらは一切広告なしの10ページです。活字も小さく、もはや一冊の本といっていいほどの量。


ここまでの追悼ぶりを目にすると、まるで国中に名の知れた有名人みたいですが全然そんなことはなく、はっきり言って無名人です。どのくらい無名かというと、デリダが生きていた晩年、わたしはカルチェ・ラタン(大学地区)に7年ほど住んでいて、その間たった一人しかデリダの名前を知っている人に会わなかったくらい。その人はイスラエル出身の物理学者で、イスラエルには『マンガで読むデリダ』って本があるんだよ、と笑って教えてくれました。デリダがイスラエルの大学に講演に来たときは、数時間に及ぶシリアスな質疑応答があったそうな。まあ、当然そうなりますよね。

リベラシオンと比べると紙面が地味。最後の2枚、書斎の光景をズームアップにしてみました。